公募要領

高次複合光応答分子システムの開拓と学理の構築

  • 領域略称名: 高次複合光応答
  • 領 域 番 号: 2606
  • 設 定 期 間:平成26年度~平成30年度
  • 領域代表者:宮坂 博
  • 所 属 機 関:大阪大学大学院基礎工学研究科

電子励起分子はエネルギー・物質変換、光機能発現等において重要な役割を果たしている。しかし、凝縮系の分子系には、①高位電子状態から最低励起状態への迅速な緩和や、②集合系における多数励起子の高速消滅など、光エネルギー(光量子・光量)利用に対し大きな制限が存在する。更に、③通常の光吸収では一光子光学許容状態のみが遷移可能であり、多様な電子状態を有効に利用することも困難であった。本研究領域ではこれら共通の制限を超克する方法として、多重・多光子励起による高位・禁制励起状態の利用、局所場を用いた電子状態変調、多数励起子による分子集団系の協同的応答などを取り上げ、これらの複合励起手法の開拓と新規複合光応答分子系への応用を行い、高次光機能集合系の構築と今後の分子系の光利用関連諸課題の解決に向けた共通基盤の確立を目的とする。研究項目A01では、多重・多光子励起、電子状態変調、励起子融合・開裂など、高位禁制電子状態へのアクセス手法の開発とダイナミクスの解明、A02では、分子設計・合成に基づく光応答集合体における分子間の協調動作法の開拓、A03では、メゾ-マクロ協同的光応答集合分子システムの機能創出を行う。

このため、これらの研究項目について「計画研究」により重点的に研究を推進するとともに、比較的大型の実験的研究(タイプA)、また理論あるいは比較的少額で実施可能な実験的研究(タイプB)を公募する。 公募研究では、本研究領域における計画研究や他の公募研究との積極的な共同研究により、格段の発展が期待できる独創的な研究提案を歓迎する。また、若手や女性研究者からの積極的な提案も期待している。

研究項目応募上限額(単年度)採択目安件数
A01 複合励起に基づく高位電子励起状態へのアプローチ・機構解明 400 万円(タイプA)
250 万円(タイプB)
3 件
2 件
A02 多重分子協調による高次複合光応答分子システムの構築 400 万円(タイプA)
250 万円(タイプB)
4 件
1 件
A03 メゾ-マクロスコピック複合光応答分子集合系の機能開拓 400 万円(タイプA)
250 万円(タイプB)
3 件
2 件

(平成27 年度公募研究 平均配分額 276 万円 最高配分額 330 万円)